ベトナムとは

ベトナム式の結婚式について

 

時間の流れに6月も近づくにつれ、「ジューンブライド」なんて言葉もあるように、世間では結婚式が増えてくるのではないでしょうか?

結婚式は国によって、民族によって礼儀が異なります。今回、ベトナムの結婚式を経験した日本人の話を通して、ベトナム式の結婚式の流れと立ち振る舞い方について紹介したいと思います。

 

招待状をもらう

結婚式は、「基本的には」招待制です。結婚式の1~2週間前に、当の新郎新婦から招待状をいただくことになります。必ずこの招待状をもって、式場に向かいます。
なお、招待状がない人が友達と一緒に参加しても、基本的に問題ありません。めでたいお祭りなので、少しでも多くの人が参加したらよいのではないかと思います。

 

開始時刻の数十分前に会場入りする

特にあなたが1人の場合は、早く行き過ぎないことをおすすめします。
招待状には「開場時刻」「開始時刻」の2つが書いてありますが、気合を入れて「開場時刻」に会場入りしても、会場には間違いなく誰もいません。

新郎新婦はもちろん、お手伝いの受付すらもいないかもしれません。
「誰々の結婚式会場はここですよね?」と聞くにも何と言ったらいいかわからず、招待状を再度見直すことになるのがオチです。

というわけで、「開場時刻」は無視して、「開始時刻」の2,30分前ぐらいに行くのが日本人としてちょうどよい塩梅です。(それでもまだ人はまばらだと思われますが。)
また、服装については、男性の場合、必ずしもスーツにネクタイである必要はありませんが、個人的には、ここでビシッとキメておくと周りとの違いが歴然となり、カッコ良いかと思っています。女性の場合は、普段はスッピンにジーパンにサンダル、とラフな格好の人であっても、ここぞとばかりに着飾って、皆で写真撮影大会が開かれる感じになるので、多少派手目なぐらいがちょうど良いかと思います。「自分が主役」ぐらいのスタンスで行くとよい感じです。

 

受付でお祝い金を納め、記帳する

招待状が入っていた封筒にご祝儀を同梱し、お祝い金BOXに投函します。この時、四つ葉のクローバーなどの可愛らしいフォームに自分のサインを書いて「記帳」することになります。
これがどう利用されているのか私は存じ上げないのですが、少なくとも、出欠の管理などは特にされていません。よって、主催側も基本的にどんぶり勘定で料理などの準備をしているらしいです。

 

記念撮影をする

開始30分前はまだ人もまばらなので、この時に記念撮影を済ませておきましょう。
プロのカメラマンっぽい人が非常に高そうなカメラでパシャパシャ撮影してくれるので、仕上がりがとても楽しみになります。が、いくら写りが良くてもあくまで新郎新婦が主役であることをお忘れなく。

 

着席し、式の開始を待つ

新郎新婦は来客対応で忙しくなるので、記念撮影が終わったら着席して、式が始まるのを待ちましょう。また、この時ビールが運ばれてくると思うので、一人でも遠慮なく飲み始めましょう。「あとで何か乾杯の音頭があるだろう」と思ったら大きな間違いです。乾杯の音頭は、ひとりひとりに委ねられているものであり、来た人から飲み始めてテンションを高めておくのがベトナム式です。

 

穏やかに式の進行を眺め、新郎新婦の幸せを願う。写真を撮る

式は基本的に定刻を過ぎてしばらくしてから始まります。
ベトナムで、定刻通りのイベント進行を期待するのは、これまた大きな間違いです。

式が始まると、壇上ではプロの(何故かだいたいは全然愛想のない「職人」という感じの)ベテラン奏者が音楽を披露し、さらにケーキ入刀やシャンパンタワーなどの結婚式らしい催しが行われ、会場は感動的な雰囲気に包まれます。一番のシャッターチャンスですので、自由に場所を移動して写真を撮ってください。
ちなみに、奏者もたまに遅刻してきます。経験上、ギターの人は遅刻率が高いです。

 

食事とビールをお楽しみください

ケーキ入刀とシャンパンタワーが終わると、あとはフリータイムとなります。壇上ではだいたい、ご親族の方の熱唱が始まったり、ご友人の方々が楽しく歌ったりしていて、新郎新婦はここから各テーブルをビール片手にひたすら回っていくことになります。

知らない人から乾杯を誘われることも多々ありますので、サラリーマンらしく、笑顔でYESマンになりましょう。トイレにも用を足しに行くことになると思いますが、ここでもしばしば、良い感じにできあがったおじさんがベトナム語でフレンドリーに話しかけてきますので、「アイアムジャパニーズ!」「オー!アジノモト!」とかいう中身の無い会話をしながら、笑顔で握手し、交流を深めてください。

何を喋ったらいいかわからない場合や、自分の話がスベった場合など、決まりの悪い場合には「ヨー」と言って乾杯を誘うと場が収まり、周りのベトナム人からの親近感もグッと増します。このノリは万国共通なんですね。また、一般的に、ベトナムにおいて、日本人は、その仕事の勤勉さが尊敬される一方、ユーモアや気前の良さの面であまり評価が高くないようですので、とにかく「陽気な楽しい日本人だな」と思ってもらえると、彼らに対して自分を強く印象づけることができるでしょう。

なお、新郎新婦の数々の美しい写真がスライドショーでスクリーンに映されていますが、これが式中にクローズアップされることは最後までありません。あくまで各自でお楽しみいただき、エピソードなどが気になる場合は直接、新郎新婦に聞いてみるとよいでしょう。

 

だいたい2時間ぐらいでみんなはけはじめます

式がいつ終わるのかというと、特に合図があるわけではなく、開始から2時間後ぐらいに、バラバラっと自然解散的に式は終わっていきます。が、これについては、実は私もよく覚えていません。締めの司会の言葉があったかもしれません。順調に飲み進めていると、式が終わる頃には気持ちよくなって、「こういう結婚式も、ありやな。」とか1人でつぶやいていることかと思います。

ベトナムの良さをなんとなく体感されたところで、あとは気をつけてお帰りください。
場合によって、カラオケに誘われることもあるかと思うので、その場合はぜひ参加して、生のベトナム語の歌を聞いてみたらよいと思います。

以上、本日ベトナムの一般的な結婚式について簡単にご紹介させていただきました。ベトナムでは54民族からなっているので、民族によって結婚式が違うと思います。皆様もぜひ、ベトナムの結婚式に実際に参加してみて、そのユルさと楽しさを体感していただければ幸いです。

きっと「なんかようわからんかったけど、アリやな。」と思われること間違いないかと思います!。

 

出典:http://www.lockon.co.jp/officialblog/member/10540/